この事例の依頼主
年齢・性別 非公開
相談前の状況
先日、私が開設したウェブサイトが突然検索エンジンの検索結果に表示され なくなってしまいました。検索エンジンサービス提供業者に対して、再び私の ウェブサイトを検索結果として表示させるよう求めたり、損害賠償を請求した りすることはできるでしょうか。
解決への流れ
検索エンジンサービス提供業者に対して相談者のウェブサイトを検索結果として表示するよう求めるのは困難ですが、損害賠償請求を求められる可能性があることを助言しました。
1 表示請求について検索エンジンサービス提供業者は、ウェブサイト開設者との契約に基づき検索エンジンにおいて検索結果を表示している訳ではないため、契約に基づき自身のウェブサイトを検索結果に表示するよう求めることはできません。2 損害賠償請求まず、不法行為が成立するためには、「権利又は法律上保護される利益」に対 する侵害が必要ですが、ご相談の事案では、ウェブサイト開設者が有する平等権(憲法14条)や表現の自由(憲法21条)に基礎をおく権利ないし利益が侵害されたものといい得ます。すなわち、憲法上、私人には、平等権(憲法14条)や表現の自由(憲法21条)が保障されています。このような基本的人権に関する規定は国家との関係を規律するものであり、私人間に直接適用されることはありませんが、民法709条のような一 般規定を介して間接的に適用されることはあり得ます。検索エンジンサービスは公共的な性質を有するサービスであり、ウェブサイトを開設する者にとって、世界に自らのウェブサイトを周知・伝達するためのほとんど唯一の手段であるといっても過言ではありません。そうだとすれば、ウェブサイトを開設・運営する者は、検索エンジンサービスを通じて自己のウェブサイトを周知することについて、表現の自由や平等権に裏打ちされた一定の利益を有して いると考えられるからです。もっとも、検索エンジンサービス提供業者は、私企業として、営業の自由の保護のもと、検索エンジンサービスを提供するものです。この点に鑑みると、上記のような利益の要保護性は、検索エンジンサービス提供業者との関係でも、絶対視することはできません。そのため、一定の場合には、当該利益の侵害について違法性が存在しないとして、不法行為の成立が否定され得るように思われます。例えば、検索エンジンによっては、検索エンジンスパムを行っているウェブ サイトを検索結果に表示しないようにすることが行われているようであるが、 検索エンジンサービス提供業者は最適な検索結果を提供することにより自社サービスの優位性を保つことができること等に鑑みると、このような扱いに基づき検索結果として表示されなくなったとしても、これをもってただちに違法性を認めることは困難であると思料されます。他方で、情報発信者には一定の利益が認められるため、これを理由なく侵害した場合には不法行為が成立し得るものと解されます。