この事例の依頼主

30代 男性

相談前の状況

公道から画像を提供するサービスを提供しようと思いますが、法的に問題はありますか?

解決への流れ

公道上から撮影可能な周囲の画像を利用しているため、人、住居や建造物、自動車が画像に写っている場合があるものの、事前に撮影に対する同意を得ていないのが通常です。そのため、撮影により肖像権やプライバシー権を侵害するおそれ、また個人情報保護法に違反するのではないか、という問題を有しているとアドバイスしました。

Lawyer Image
澤田 直彦 弁護士からのコメント

肖像権についてのみ、こちらではコメントします。① 肖像権の権利性肖像権について明文で定めた規定はありませんが、判例は、「人は、みだりに自己 の容ぼう等を撮影されないということについて法律上保護されるべき人格的利益を有する」として、権利として保護しており、権利性が認められています。② 撮影の違法性の判断基準判例は、肖像の撮影について、「ある者の容ぼう等をその承諾なく撮影する ことが不法行為法上違法となるかどうかは、被撮影者の社会的地位、撮影された被撮影者の活動内容、撮影の場所、撮影の目的、撮影の態様、撮影の必要性等を総合考慮して、被撮影者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。」として、その侵害が違法となる際の判断基準を示しています(最一小判平成17年11月10日民集59巻9号2428頁)。③具体的検討道路周辺映像サービスにより撮影される者の社会的地位は、偶然、撮影時に居合わせた一般市民であり、道路を歩行中等の日常生活を行っている場面を、公道上から撮影することになります。公道のような公開された場所であるからといって、肖像権を含めたプライバ シー全てを放棄していると考えるべきではないとする裁判例もあるものの、 一般的に、撮影時に、事前に撮影する旨を告知あるいは明示していれば、肖像権侵害に該当する可能性はほとんどないと思われます。他方で、道路周辺映像サービスの撮影目的は、地図情報をリアルかつ立体的に表現することにあり、地図情報の質、ひいては利便性の向上という社会的意義があると考えられており、撮影の必要性は認められます。そこで、撮影態様として、撮影時に、事前の告知や撮影中である明示がない 場合、私道へ侵入してなされた撮影、被撮影者の活動内容が職務質問を受けている場合等特殊な場合には、撮影が肖像権を侵害するものとして違法になる可能性が出てきます。もっとも、上記の場合であっても、道路周辺映像サービス上の画像について、 容ぼうにぼかしを入れたり、解像度を落として公開がなされている場合には、社会生活上受忍の限度を超えるものではないと判断されると思われます。