犯罪・刑事事件の解決事例

SNS取引のノークレーム・ノーリターン特約について

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澤田 直彦 弁護士が解決
所属事務所弁護士法人直法律事務所
所在地東京都 千代田区

この事例の依頼主

40代 男性

相談前の状況

SNSのLINE上でバイクを売り出したところ、買い手に対し、バイクの不具合を明確に伝え、ノークレーム・ノーリターンの条件を伝えて、実際に現車の確認をさせ、試乗 させ、現車確認時のみキャンセル可能と説明し、その上で契約成立となったが、翌日、バイクに不具合があると連絡があり、修理費の支払を要求されました。このような要求に応じる必要がありますか?

解決への流れ

ご相談の取引状況に鑑みると、上記の要求には応じる必要がないと助言しました。

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澤田 直彦 弁護士からのコメント

ご相談内容の条件は、いわゆる「ノークレーム・ノーリターン」特約といわれます。このような文言が織り込まれている例は、ネット上の個人売買には非常に多く、この文言さえ入れておけば、オールマイティに全ての「瑕疵」について売主は免責され得るのかは問題です。この点、ネットオークション事例の東京地裁平成16年4月15日判決(中古車アルファロメオ事件) 、大阪地裁平成20年6月10日判決(中古車シボ レー・サバーバン事件)等が示した具体的事情の碁的の方法は参考になると思われます。民法570条の「瑕疵」とは、売買契約の「目的物が通常備えるべき性能等を有していないこと」であるから、通常の相対取引では買主がその目的物をその目で見て確認作業をしますが、ネット上の個人売買では、必ずしも買主が商品を手にとって確かめた上での取引ではないので、売主の誠実な説明文と当該商品の取引慣行や市場相場価格といった事情をもって買主による確認、「客観的認識」の代用とせざるを得ないところがあります。そして、結局のところ、個々の取引関係で「ノークレーム・ノーリターン」 特約が盛り込まれていたとしても、単純に特約の有効性が認められるというものでもなく、実際の商品の内容、当該商品の取引慣行や市場相場価格、瑕疵や損傷の内容・性質などの個別具体的な事情の総合的な考慮が必要となります。なお、「ノークレーム・ノーリターン」特約については、経済産業省が「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(平成25年9月改訂版)において、同省の考え方を示しています。