この事例の依頼主
30代 男性
相談前の状況
ECサイトで消費者向けの製品を販売するショップを運営しているのですが、消費者にお金を払って良いレビューを書いてもらいたいと思います。このような行為は適法でしょうか?
解決への流れ
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反し、閣総理大臣の措置命令(同法6条)、都道府県知事の指示(同法7条)、適格消費者団体の差止め請求権(同法10条)等の対象になり得ます。
30代 男性
ECサイトで消費者向けの製品を販売するショップを運営しているのですが、消費者にお金を払って良いレビューを書いてもらいたいと思います。このような行為は適法でしょうか?
不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)に違反し、閣総理大臣の措置命令(同法6条)、都道府県知事の指示(同法7条)、適格消費者団体の差止め請求権(同法10条)等の対象になり得ます。
ご相談内容の広告は、いわゆる「ステルスマーケティング」といわれる方法です。「ステルス・マーケティング」とは、消費者層に商品広告だと気づかれないように広告宣伝活動をすることであり、業者と通謀して顧客になりすました者が商品を推薦、褒めるなどして、需用者層の購買心をそそる「さくら」や「やらせ」と同等の行為をいいます。通称「ステマ」、アンダーカバーマーケティング (undercover marketing)とも呼ばれます。従来、インターネット上のステマは、ブログが利用されることが多く、定期的に閲覧する多数の読者をもつ「アルファブロガー」とよばれるブログ更新者に業者が金銭や製品などを渡し、あるいは報酬を支払い、商品や店の長所、いかに素晴しいか等の情報をブログに掲載させるという方法が一般的でした。しかし、SNSのFacebookの利用者が増加するに伴って、Facebook上のタイムラインにそのような情報を投稿させるという方法はもとより、上述の「いいね!」ボタンのクリック件数の水増しを有償で請け負う業者、もしくはTwitterの「フォロワー」数の水増しをする業者が現れるに至っています。【不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)との関係】このような「いいね!」や「フォロワー」の件数の扱い方は、消費者を誤認させるステマと似たような効果があると思われ、具体的な事案の内容にもよりますが、不当景品類及び不当表示防止法 (略称:景表法、景品表示法4条1項1号の「優良誤認」(内容について実際のものよりも、又は競争事業者に係るものよりも著しく優 良であると一般消費者に示す表示)若しくは、同条1項2号の「有利誤認」(取引条件について実際のものよりも、又は競争事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に示す表示)と認定される可能性がないわけではありません。消費者に対す る「誤認表示」と認定されれば、内閣総理大臣の措置命令(同法6条)、都道府県知事の指示(同法7条)、適格消費者団体の差止め請求権(同法10条)等の対象になり得ます。【不正競争防止法2条1項13号(品質等誤認表示行為)との関係】さらに、上述の「いいね!」件数水増し業者等のSNS利用については、不正 競争防止法2条1項13号(品質等誤認表示行為)との関係も問題となり得ます。すなわち、同法は、①表示行為が商品の原産地、役務の質等についてのもので あること、②上記①について誤認させるような表示、又は当該表示をした商品 の譲渡、引渡し、譲渡若しくは引渡しのための展示等の行為があることを要件として、このような品質等誤認表示行為を不正競争行為の一つと定め、差止め 請求権(同法3条)、損害賠償請求権(同法4条)、刑事罰(同法21条2項1号、5号) の対象としています。上述の景品表示法は独禁法の特別法という位置づけのため、内閣総理大臣の措置命令や都道府県知事の指示といった行政処分の対象とはなりますが、私人間の民事的損害賠償請求には結びつかず、さらに景品表示法違反そのものには刑事罰が設けられていません。他方、不正競争防止法については上記のように損害賠償規定や刑事罰があります。ただ、不正競争防止法は「事業者間の公正な競争の確保」という目的を持つ法律のため、上記損害賠償請求権や差止め請求権を行使するには、「営業上の利益の侵害又は侵害のおそれ」が要件となります。